企業型DCとiDeCoは併用できる?2026年12月からの計算式

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「会社で企業型DCに入っているから、iDeCoは無理だと思っていた」——これは私も社会人1年目に思い込んでいたことです。結論から言うと、併用できます。

そして2026年12月から、この併用のルールが大きく変わります。これまでは「企業年金があるかどうか」で上限が細かく分かれていましたが、その区分がなくなります。

  • 企業型DCに入っていてもiDeCoは使えます。2022年10月に「規約の定めが必要」という条件がなくなりました
  • 2026年12月から、会社員の拠出限度額は企業年金と共通の月6.2万円に一本化されます
  • いま(2026年9月時点)は「5.5万円−会社の掛金、上限2万円」。この2万円のキャップが12月に外れます
  • 改正後にiDeCoへ出せる額は「6.2万円 −(会社が出している企業型DCの掛金)−(DB等の掛金相当額)」の残りです
  • つまり会社の掛金が多い人ほど、iDeCoに回せる枠は小さくなります
  • 自分の枠を知るには会社の事業主掛金がいくらかを調べるのが先。これが分からないと計算できません
目次

なぜ「併用できない」と思われているのか

この誤解には理由があります。数年前まで、本当に入れない人がいたからです。

以前は、企業型DCに入っている人がiDeCoを使うには勤務先の企業型年金規約にその定めがあることが必要でした。規約に書いていなければ、本人が希望しても加入できません。そして多くの会社は、わざわざ規約を変えていませんでした。

これが2022年10月1日に変わりました。iDeCo公式サイトの表現です。

企業型年金規約の定めによりiDeCoに加入できなかった企業型DC加入者の方も加入できるようになります

つまり規約という壁はもうありません。「うちの会社は対象外だと言われた」という記憶がある人も、それは2022年9月までの話である可能性が高いです。

ただし条件がひとつ残っています。企業型DCのマッチング拠出を利用している人は、iDeCoに加入できません。どちらか一方です。この点は後半で比べます。

何が一本化されるのか

厚生労働省の説明はこうです。「勤務先の企業年金の有無等による差異を解消し、企業年金と共通の拠出限度額に一本化したうえで」、その共通限度額を月額6.2万円に引き上げる。

これまでは「企業年金なしの会社員」「企業型DCのみ」「DBもある」で上限がバラバラでした。そこが一つの器にまとまります。

区分2026年12月以降の枠
第1号(自営業・フリーランス)iDeCo+国民年金基金で月7.5万円
第2号(会社員・公務員)企業年金と共通で月6.2万円
厚生労働省「2025年の制度改正」より。同ページには第3号(被扶養配偶者)の記載がないためここでは触れていません。別途公表されている改正チラシでは第3号は月2.3万円の据え置きと読めますが、金額が図で示されているため当サイトでは数値を確定できていません

いまのルールはどうなっているか

先に現在(2026年9月時点)を押さえておきます。6.2万円の話はまだ始まっていません。

いまのルールでは、企業型DCやDBに入っている会社員・公務員のiDeCoの枠はこう決まります。

月5.5万円 − 企業型DCの事業主掛金 − DB等の他制度掛金相当額
ただし上限は月2万円

ポイントは2万円というキャップです。会社の掛金が少なくても、いまは2万円までしか出せません。企業年金がない会社員と第3号は月2.3万円、自営業・フリーランスは月6.8万円(国民年金基金・付加保険料との合算)です。

2026年12月からのiDeCoに出せる額の計算

ここからが改正後の話です。一本化された6.2万円は「会社の掛金も含めた合計の上限」です。iDeCoの枠は、そこから会社が出している分を引いた残りになります。

iDeCoの上限 = 62,000円 − 企業型DCの事業主掛金 − DB等の他制度掛金相当額

会社が出している掛金iDeCoに出せる額
0円(企業年金なし)62,000円
10,000円52,000円
20,000円42,000円
35,000円27,000円
57,001円以上0円(下限に届かないため)
計算式に当てはめた例です。実際の上限は運営管理機関の案内をご確認ください。

最後の行に補足を。iDeCoの掛金は月々5,000円からで、1,000円単位です。式の上で残りが4,000円でも、下限に届かないので拠出できません。会社の掛金が57,001円以上になると、実質的に枠が無くなります。

改正でどれだけ変わるのかを、同じ人で並べてみます。

会社の掛金いま(〜2026年11月)2026年12月から
10,000円20,000円52,000円
20,000円20,000円42,000円
35,000円20,000円27,000円
45,000円10,000円17,000円
DB等なしの場合。現行は「5.5万円−事業主掛金、上限2万円」、改正後は「6.2万円−事業主掛金」で計算

効くのは会社の掛金が少ない人ほどです。2万円のキャップが外れるので、枠が2倍以上になる人もいます。

公務員の場合は、この「会社の掛金」にあたるのが共済掛金相当額です。厚生労働省の資料では「62,000円(拠出限度額)-8,000円(共済掛金相当額)」=月額54,000円と示されています。

まず調べるのは「会社がいくら出しているか」

計算式を見れば分かるとおり、自分の枠は会社の掛金が決まらないと出ません。ここを調べずに「iDeCoは月2万円くらいかな」と決めても意味がありません。

  • 企業型DCの加入者サイトにログインする。毎月の事業主掛金が載っています
  • 年1回届く「確定拠出年金のお知らせ」を見る。掛金の累計と月額が書かれています
  • 人事・総務に聞く。DB(確定給付企業年金)がある会社は、その掛金相当額も必要です

事業主掛金は毎月一定とは限りません。給与や等級に連動する制度だと、昇給のたびに変わります。その場合はiDeCoの上限も動くので、年に一度は確認してください。なおiDeCoの掛金額を変更できるのは年1回(12月分から翌年11月分の掛金の間で1回)なので、思いつきで上げ下げはできません。

調べた数字を式に当てはめます。たとえば事業主掛金が月18,000円、DBなし、という人なら

62,000円 − 18,000円 − 0円 = 44,000円
これが2026年12月以降にiDeCoへ出せる上限です。

ここで出た数字は「出せる上限」であって「出すべき額」ではありません。iDeCoは原則60歳まで引き出せないので、上限いっぱいを埋めにいくかどうかは別の判断です。優先順位の考え方はNISAとiDeCo、どっちを先に使うべきかにまとめています。

マッチング拠出をしている人は

企業型DCには、会社の掛金に自分で上乗せするマッチング拠出という仕組みがある会社があります。

ここも2026年に変わったところがあります。以前は「自分の掛金は会社の掛金を超えてはいけない」という制限がありましたが、2026年4月1日にこの制限は撤廃されました。会社の掛金が少なくてマッチング拠出をあきらめていた人は、条件が変わっている可能性があります。

マッチング拠出とiDeCoはどちらか一方を選ぶ形になります。どちらも掛金が全額所得控除になる点は同じなので、判断材料は次のあたりです。

マッチング拠出iDeCo
商品会社が用意したものだけ金融機関を自分で選べる
口座管理手数料会社が負担する場合がある自分で負担
上限企業型DCの枠(いま月5.5万円、2026年12月から6.2万円)の残り。2026年4月に「会社の掛金以下」の制限は撤廃共通枠の残り
転職したとき会社の制度に依存そのまま持ち運べる

会社のラインナップに低コストのインデックスファンドが無いなら、iDeCoを選ぶ理由が強くなります。逆に口座管理手数料を会社が負担してくれて商品も悪くないなら、マッチング拠出のほうが手間は少ないです。誰が手数料を負担するかは会社の制度によるので、自社の規約を確認してください。

よくある質問

Q. 会社の許可は要りますか?

許可は要りません。手続きも簡単になりました。2024年12月以降、加入時や転職時に事業主の証明書を添付する必要がなくなっています(国民年金基金連合会が企業年金の加入状況を確認できるようになったためです)。ただし掛金を給与天引きの「事業主払込」にする場合は、口座振替などで勤務先の事務が別途発生します。運営管理機関によって案内が異なるので、申込み前に確認してください。

Q. 以前「規約が無いから無理」と言われました

それは2022年9月までのルールです。2022年10月1日から、規約の定めがなくても加入できるようになりました。当時断られた人も、いまは条件が変わっています。

Q. 枠が0円になる人はどれくらいいますか?

改正後に枠が消えるのは、会社の掛金とDB等の掛金相当額の合計が月57,001円以上になる人です(残りが下限の5,000円に届かないため)。そこまで手厚い会社は多くないので、大半の会社員にはいくらかの枠が残ります。

Q. 枠いっぱいまで入れるべきですか?

いいえ。iDeCoは原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅資金など途中で使う予定があるお金を入れると身動きが取れなくなります。使う時期が決まっていないお金はNISAのほうが向いています。

まとめ

  • 企業型DCとiDeCoは併用できる
  • 2026年12月から会社員の枠は企業年金と共通で月6.2万円に一本化
  • いまは「5.5万円−会社の掛金、上限2万円」。12月から「6.2万円−会社の掛金」になり、2万円のキャップが外れる
  • まず自分の会社がいくら出しているかを調べる。話はそこから

改正の全体像は【2026年12月改正】iDeCoの掛金上限が月2.3万→6.2万円へにまとめています。

参照した情報(2026年9月12日に確認)
・厚生労働省「2025年の制度改正」
・厚生労働省「国家公務員・地方公務員の皆さまへ」
・iDeCo公式サイト「2022年の制度改正について」
・iDeCo公式サイト「iDeCoのしくみ」
・厚生労働省「DB等の他制度に加入している方のiDeCo拠出限度額」(2024年12月〜)
制度内容は変更される場合があります。実際の拠出限度額は運営管理機関および勤務先にご確認ください。本記事は情報提供を目的としたもので、特定商品の勧誘ではありません。

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この記事を書いた人

RIMAWARIのアバター RIMAWARI 投資歴7年 / 35歳FIREを目指す会社員

「リマワリ」を書いているRIMAWARIです。東京でひとり暮らしをしている20代の会社員(映像・放送機器の法人営業)で、投資歴は7年。35歳でのリタイア(FIRE)を目標に、自分のお金で実際にやっている資産形成の記録と、その過程で調べたことをまとめています。資格は持っていないので、制度の説明は必ず一次情報にあたり、数字には「いつ時点か」を書き、デメリットを先に書くことにしています。

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